帰宅部にお任せを

そんな颯だけど、わたしは嫌いじゃない。

たまに笑わせてくれるし、雑用を『のろま』なんて言いながらも手伝ってくれる優しい面だってある。


だから、迷惑だなんて思わない。

思ったことない。


冷めたら、颯の好きなコーヒーでも淹れてあげようかな。

なんて、この時はその程度にしか思っていなかったんだ―…。




おかしな手紙の一件から、一週間が経とうとしていた。

また、それは起こった―……。


【帰宅部へ

俺は忙しくて顔を出せない。
そんな失礼な俺の依頼を受けてほしい。
ターゲットは原田ユマ。
金は同封しておく。

松本(まつもと) タケシ】


「……また?」

誰もがそう思った。


おかしい。

おかしすぎる。


だって、手紙を用いた依頼。

そして、標的は原田ユマさん。


前回の依頼を思い起こさせられる。
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