帰宅部にお任せを

「さてと、誰に行ってもらおうかな」

どうやらこの依頼も受けるらしい。

楓は颯、廉、曽良の三人の顔をそれぞれ伺う。


颯が一歩前に出る。

颯が勝手出るってことは相当頭にくることがあった時だ。


しかし、わたしの予想は外れた。

「俺はやらねぇ。この類の依頼全部、だ」


そして、出て行こうと背を向ける。

すかさず、わたしはその手を取った。


「颯、待っ…」

「腐ってやがるんだよ!!」


え―…?


颯は乱暴に振り払おうとはしなかった。

わたしの掴んでいる力が弱まるとそこから腕を引き抜き、静かにここを出て行った。



颯の言った言葉の意味がわからなかった。

気になった。



あの時の辛そうな表情―…。


それが、ずっと頭から離れない。
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