帰宅部にお任せを
―颯side―


恐怖、残酷、酷い!


トドメを刺す度にそいつらはそんな表情をして、俺を見ていた。

別にそんなことを思われようが、言われようが気にはしなかった。

俺は廉と違い、割り切って仕事をすることが出来ていたのだから。


けど―…

けど、どうしたって言う?


「畜生っ……!」

ガンッとコンクリートで出来た壁に拳を叩きつける。

元々脆かったソレはパラパラと砕けて、俺の手には血が滲んだ。



どうもむしゃくしゃする。

それなのに―…

胸がいてえ。



「……!」

その時、ズキっと頭に痛みがはしった。


"さあ、壊してみなさいよ!私を!!!"


頭に響き渡るのはアイツの憎たらしい声。

狂ってる。
腐ってやがる。

やめろ。
うるさい。


「いい加減にしろぉおおお…!!!」

俺の叫び声は空高く上った。
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