帰宅部にお任せを

「あの…えと……」

一人どぎまぎしていると、ユマさんの周りにいた上級生が寄ってきた。


「なに?この子、ユマの知り合い!?」

「可愛いー!緊張してるよ!!」

「妹にしたいーっ」

なんて言って、もみくちゃにされる始末。


「あ、…えと…きゃっ」

話したこともない先輩たちだから『やめて下さいよ』とは、言いづらい。

困惑していると、ユマさんが席を立った。


「羨ましいくらい可愛いでしょー。ということで、わたしこの子と話あるから行くね」

「へ?」

話って―…?

訳がわからないまま彼女に手をひかれ、笑顔満点の先輩たちに見送られ食堂を後にした。





「ここ、人の出入りが少ないからゆっくりくつろげるのよ」

ユマさんは入口のところの札を『会議中』に変えてから、入ってきた。

ここは、生徒会室。

カーテンの所為か、少し薄暗い。

机やら、床にまで何だかよくわからない資料が転がっていた。


…掃除する人、いないのかな。



雑用係をやらせられているので、変なところを気にかけてしまう。
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