帰宅部にお任せを

わたしの視線に気づいたのかもしれない。


「ごめんね。汚いよね」

ユマさんはそう言って、それらの資料を足で隅っこに追いやった。


「いえ、ありがとうございます…」

何だか気を遣わせてしまったみたい。


「いーよ、座って」

それから、わざわざソファーの埃まではらってくれたユマさんはそこに座るように言った。

またまたすみませんと頭を下げ、言う通りにする。


ユマさんは自分が座る方のソファーは適当に自分が座る部分だけ、埃を落として座った。


「わたしに訊きたいこと、あるんじゃないの?」

…鋭い。

どんな質問でもかかってきな、というユマさん。



でもいくらそう言われたからって、

-…帰宅部の復讐、辛くないですか?

なんて、聞けるわけがない。


今は本当に帰宅部の復讐にあっているか知りたいだけ。

少し考えてからこう尋ねてみることにした。


「最近、辛いこととかあります?」
< 94 / 121 >

この作品をシェア

pagetop