帰宅部にお任せを
一瞬、ユマさんの顔が曇った。
やっぱり、帰宅部の復讐を受けているんだ。
そう思ったが、次にユマさんの口から出てきた言葉には驚いた。
「…ええ、毎日が辛いわよ」
え―…
「毎日、ですか?」
「そう、全てが辛くて辛くてしょうがない」
彼女の長い睫毛がそれらを主張するように綺麗な影をつくる。
ユマさんは別の何かを指していると、直感した。
いつも笑顔が麗しい生徒会長。
だけど、わたしの目の前にいるのは―…?
彼女の表情―…
それには悲しみ、あるいは憎しみなどの気持ちが表れていた。
これが彼女の闇を見た一度目の瞬間となった。
「えっと、」
どう反応すべきかわからずに、戸惑う。
すると、彼女はハッと我に返ったように表情を戻した。
「ごめんね。喉乾いたでしょ?コーヒーを淹れるわ」
目の前には元の誰からも好かれる完璧人間、原田ユマがコーヒーカップを手にしていた。