風が吹く街
途中で何度も息がつまった。
祥は優しく背中をさすりながら、
真剣に話を聞いてくれた。
なにも言わずにいなくなったことを
本気で後悔した。
あのときちゃんと言っていれば、
今ごろ違った人生だったのかな。

全部話終わった私の前から、
突然祥が立ち上がりいなくなった。
祥が私の前からいなくなっちゃう。
そう思うと涙がまた溢れる。
自分が最低なことしたくせに。

「何また泣いてるんだよ(笑)」

祥はそういいながら、私に温かいミルクティーを渡してくれた。

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