風が吹く街
「最初にあったときもこんな感じだったよな」

そういいながら優しく微笑む。
「何で言わなかったんだよ。俺がそのくらいも受け止められないやつだと思ったのかよ」

「違うよ!それは絶対に違う!」
「じゃあ何で...」

「私が辛いから。私は自分を守るために、祥を傷つけたの。逃げたの。」

「何で辛いんだよ。俺が会いに来ればいいだけの話じゃないのかよ」

そうやってまた優しいことを言う。
一人で悩んでたことも、
祥に話すと無駄なことだったって実感する。
言えばよかったんだ。

「こんなことで別れるなんて、俺は絶対に認めないからな!これからも俺と一緒にいてくれよ。高校なんてすぐ卒業だし、会いに来るから。卒業したら働く。そしたら俺と結婚してくれないか?」

そういって抱き締めていた手を緩めて、向き合う形になる。
嘘でしょ...あんなに酷いことしたのに、それでもあなたは受け入れてくれるの?
答えは決まっていた。

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