風が吹く街
「そろそろいくわよ」

お別れの時間が来たようだ。
この町を離れることは学校の先生以外誰にもいっていない。
夏休みだし、いなくなるにはちょうどいい時期だった。

車に乗り込む。
窓を開けると車に風が通り抜ける。
とても心地がよかった。
一筋の涙がほほを伝う。
風はその涙を乾かしてくれた。
さようなら、私の街。
さようなら、大好きな人。
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