俺は今日も自転車の君に恋をする
mokumoku
夏休み
「あー、だりぃー」
俺の後ろにいる陽太がそう呟く。
今は終業式です。
体育館は暑すぎるし、おまけに校長先生の話が…。
まぁ、お決まりなんだけど。
「なぁー、湊ー。さぼろーぜー」
陽太が俺の背中に「だりー」ってかきながらそう言った。
俺は陽太のほうをむいた。
ほかのひともそんなかんじだし、大丈夫だろ。
「むりだろー」
「いや、いける」
その自信はどこからくるんだい、陽太くん。
「先生もどっかに意識いってんだろ」
そういいながら先生たちのところを指さした陽太。