俺は今日も自転車の君に恋をする
「な?ていうか湊もそろそろ自覚しないとこれから大変だぞー」
「これから大変って…なにが」
「さぁ?」
そう陽太ははぐらかしてしまった。
「バスきたから乗るぞー」
よっしーが教室に顔だけのぞかしながら言った。
その声でみんなが勢いよく席を立った。
「なんでみんなこんなに頑張ってんの?」
つい、聞いてしまった。
「そりゃあ、バスの後ろの席を取りたいからじゃね?」
「あー。なるほど」
まぁ、席とか座れればいっか。
俺と陽太はこのとき、そんな甘いことを考えていたんだ。