secret name ~猫と私~
セッテは相変わらずいつもの笑顔だ。
「飲み会、行かないの?」
「行くわけあれへんやろ。」
わかってて聞いているのか・・・?と、そんな言葉が聞こえてきそうな態度。
困ったように眉をひそめるそれさえ、男性なのに綺麗だった。
「あんな、俺は・・・」
「今日は、ありがとね。」
俺は・・・の先を、聞きたくない。
きっと“仕事に含まれていない”だとか、“どうせいなくなるから”とか、言いたいのだろうが、聞きたくなかった。
居なくなるのは分かっていても、それを今、はっきり言って欲しくない。
(彼は戦力として、十分すぎるほどだから・・・手放すのが、惜しい。)
ずっと居て欲しいぐらいだ。
それがかなわないことぐらい、分かっていても。
「俺なんかしたやろか?」
知らないふりを通そうとするのか。
にやりと笑って、とぼけた様子で飄々としている。
セッテは立ち止まった佳乃を通り過ぎ、数歩前を歩く。
その後ろを、佳乃は歩き出した。
「・・・いいわ。言いたかっただけよ。」
「そんならええけど。」
歩きながら、顔だけ振り向く。
広い背中を見ながら歩くのも、悪くない。
そう思った時だった。
「佳乃!」
「飲み会、行かないの?」
「行くわけあれへんやろ。」
わかってて聞いているのか・・・?と、そんな言葉が聞こえてきそうな態度。
困ったように眉をひそめるそれさえ、男性なのに綺麗だった。
「あんな、俺は・・・」
「今日は、ありがとね。」
俺は・・・の先を、聞きたくない。
きっと“仕事に含まれていない”だとか、“どうせいなくなるから”とか、言いたいのだろうが、聞きたくなかった。
居なくなるのは分かっていても、それを今、はっきり言って欲しくない。
(彼は戦力として、十分すぎるほどだから・・・手放すのが、惜しい。)
ずっと居て欲しいぐらいだ。
それがかなわないことぐらい、分かっていても。
「俺なんかしたやろか?」
知らないふりを通そうとするのか。
にやりと笑って、とぼけた様子で飄々としている。
セッテは立ち止まった佳乃を通り過ぎ、数歩前を歩く。
その後ろを、佳乃は歩き出した。
「・・・いいわ。言いたかっただけよ。」
「そんならええけど。」
歩きながら、顔だけ振り向く。
広い背中を見ながら歩くのも、悪くない。
そう思った時だった。
「佳乃!」