secret name ~猫と私~
気付いてしまった恋心を、他人のせいにした自分に、飲み過ぎではない吐き気がする。

「さいてー・・・」

自分に向けてつぶやいた言葉は、胸に深々と突き刺さった。
誰からも返事が無い部屋。
今までずっとそうだったのに、どこか物足りなくなっているのは、それだけセッテが馴染んでいたからなのだろう。

明日から彼にどんな顔で会えば良いと言うのか。

モヤモヤした気持ちをかき消す為に、熱いシャワーを浴びて、ベッドにもぐりこむ。

眠たくないが、強引に目を閉じる。

朝になったらまた、彼が来るだろう。
その時までにこの気持ちを、忘れられる事が出来たらいい。
全て酔ったうえでの、勘違い。
それなら全て、丸く収まるはずだから。
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