secret name ~猫と私~
セッテはなかなか戻らず、社員が続々と出社してきた頃に戻ってきた。
社員の中には、珍しく自分より後から来たセッテに、驚いた者もいるようだ。

「おはよーさん。」

「あ、おはよう七海君」

「おはよう。」

口々に挨拶を交わすも、セッテの表情はほんの少し冴えない。

「もうサーバー直ったかな?」

「徹夜で直した言うとったで。」

笑顔にもなんだか、元気が無い。
返す言葉も、どこかいつもの張りがないようだ。

ノーヴェの存在が唐突に気になりだす。

セッテをここまで焦らせ、動揺させる、彼女は一体なんなのか。
彼はとにかく、ノーヴェがこの場に居る事に、とても驚いていたので、きっとこの会社に派遣されている事を知らなかったのだろう。

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