secret name ~猫と私~
猫同士の約束事があります
恋をしていると認識してからというもの、セッテの行動や笑顔に一喜一憂している自分が居る事を、佳乃は感じていた。

(久し振りの感覚だけど・・・まだ私も女だったってことか・・・。)

最後に恋をしたのは、いつだろう。
年単位で過ぎてしまったことは間違いない。
色褪せてしまったそのときでさえ、こんなに素直に自分の変化を認められなかった気がする。

何年ぶりなのかさえわからない感覚。
最初は煩わしかった感情。

だが今は、戸惑いを覚えながらも、徐々に変わっていく自分に慣れてきている。

舞い上がっていると分かっていても、そんな感情がまだ自分の中に生きていたという事に、驚いてもいた。

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