secret　name　～猫と私～
マニュアルなのに、一枚しかない紙を読んでいく。


飼い主マニュアル～これで君も、猫を飼える！～

ふざけたタイトルだ。
まるで本当にペットを飼うかのようではないか。
一人なので溜め息を隠さず、盛大に吐く。

１・猫はあなたに忠実ですが、仕事以上の働きをさせないでください。
（仕事以上の働き・・・？）

２・猫の事は、数字で呼ばれています。呼び方は、イタリア語になっています。
（なんでイタリア語？）

３・彼らに性的関係を求めないでください。
（なにそれ。どんな仕事よ。）

これで最後になります。
４・恋を、しないでください。


「するわけ、ないじゃない・・・」

バカバカしくて、つい鼻で笑ってしまった。

もうずっと、恋などしていない。
いいなと思う異性に出会っても、忙しさを理由に遠のいていく。

（それに、仕事でくるんでしょ？私のサポーターとして。）

それがどんな仕事なのかはわからないが、仕事上のパートナーに恋をするなど、今までの自分ではありえない。

（サポートなんて・・・必要無いのにね。）


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