secret name ~猫と私~
笑顔で言葉を交わす2人を遮ろうと、努めてにこやかに口を挟む。

「社長、そろそろ本題に入っていただけますか?」

「本題?」

社長はきょとんとして、佳乃を見つめた。
早く、違う話をしてほしい。
その一心で、社長に本題を求める。

「ああ、猫の契約が、もうあと1ヵ月だから。どうかなと思ってね。」

その願いもむなしく、社長はあっさりと笑顔に戻ってから言いきった。
まるでレンタルビデオの返却期限のようだ。

「そう・・・ですか・・・」

どうとは、なんだ。
期間延長を申し出たら、してくれるのだろうか。

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