secret name ~猫と私~
今、何と言った?
付き合っている?
誰と、誰が?
まさか、いつの間にか自分たちは交際しているのか?
そんなはずはないし、セッテはそんな嘘を吐く人ではない。
混乱する佳乃をよそに、2人は追い討ちをかけてくる。


「はい、もう2年になりますね。」


頭の中が真っ白になった。
これ以上は聞きたくない。


「水口から、君達が出会わないようにしてくれって頼まれてね~・・・ほんと困ったよ。」

「基本、猫が同じ会社に2匹おるん、無いですしね。せやけど、こないだ会うたんですわ。」

「らしいね。焦ったよ。彼と飲みに行ったときに言われて、どうしたらいいかと。3ヶ月も同じビル内にいて、会わないことなんて難しいからね。」


ははは・・・と、笑いあう声が、社長室に響いた。
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