secret name ~猫と私~
やけ酒が進むはずもなく、しっかりとした足取りで、佳乃はマンションへと帰る。
どうせなら、もっと酔って何もかも忘れてしまいたかった。
一人きりの帰り道、携帯をいじってみたり、仕事の資料を読んでみたりしたが、セッテの事が頭から離れてはくれなかった。
マンションに着き、エレベーターに乗る。
この狭い空間に2人きり。
緊張したのは、今朝の事だったのに。
一緒に飲もうと言っても、きっとセッテは困った顔をするだけだ。
『それは仕事に含まれない』と、断られるのも怖い。
だから佳乃は、今まで彼を誘った事はなかった。
(会社の規則・・・か。)
セッテは昼食以外、佳乃の前で食べない。
どんなに遅くても、料理が目の前にあっても、味見以外はしなかった。
それが“仕事だからやっている”と言っているようで、時々胸が痛くなる。
どうせなら、もっと酔って何もかも忘れてしまいたかった。
一人きりの帰り道、携帯をいじってみたり、仕事の資料を読んでみたりしたが、セッテの事が頭から離れてはくれなかった。
マンションに着き、エレベーターに乗る。
この狭い空間に2人きり。
緊張したのは、今朝の事だったのに。
一緒に飲もうと言っても、きっとセッテは困った顔をするだけだ。
『それは仕事に含まれない』と、断られるのも怖い。
だから佳乃は、今まで彼を誘った事はなかった。
(会社の規則・・・か。)
セッテは昼食以外、佳乃の前で食べない。
どんなに遅くても、料理が目の前にあっても、味見以外はしなかった。
それが“仕事だからやっている”と言っているようで、時々胸が痛くなる。