secret name ~猫と私~
無言で歩く、通勤路。
毎日同じ道を通り、同じ地下鉄に乗っているのに、いつもより時間が長く感じる。
二人の距離も、隣を歩いていた昨日までと違い、セッテが一歩下がってついてくる形だ。
セッテは佳乃に気を使って、どうにか楽しませようとしてくれていた。
だが佳乃は、どうしてもそんな気分になれない。
(ごめんなさい、セッテ君。)
心の中で謝っても、当然ながら彼には届くはずもない。
言葉で謝ることが出来たらいいのに、それをするには色々説明しなければいけない。
自分の気持ちも、その中に含まれてしまう。
気まずい空気のまま会社に着いて、まだ人の少ないビル内を歩き、自分の席に座る。
セッテもあてがわれた自分のデスクについて、資料の整理などを始めた。
毎日同じ道を通り、同じ地下鉄に乗っているのに、いつもより時間が長く感じる。
二人の距離も、隣を歩いていた昨日までと違い、セッテが一歩下がってついてくる形だ。
セッテは佳乃に気を使って、どうにか楽しませようとしてくれていた。
だが佳乃は、どうしてもそんな気分になれない。
(ごめんなさい、セッテ君。)
心の中で謝っても、当然ながら彼には届くはずもない。
言葉で謝ることが出来たらいいのに、それをするには色々説明しなければいけない。
自分の気持ちも、その中に含まれてしまう。
気まずい空気のまま会社に着いて、まだ人の少ないビル内を歩き、自分の席に座る。
セッテもあてがわれた自分のデスクについて、資料の整理などを始めた。