secret name ~猫と私~
開発部はそう遠くはなかったが、わざと遠回りした。
仕事一辺倒の佳乃からすれば、それは最高のサボりだ。
今までサボる事など許せなかったのに、それを自分がやるとは思わなかった。
時折行き交う社員もいたが、まさか真面目で厳しいと評判の佳乃がサボっているとは、誰も思わない。
開発部に行く気にもなれず、人がいないであろうフロアの端の休憩所で缶コーヒーを買おうと、佳乃は足を向ける。
「あ・・・」
自販機の前に、会いたくなかった人が居た。
思わず上げてしまった声に反応して、会いたくなかった人“ノーヴェ”は、振り向いて小さく一礼した。
相変わらず、彼女はほとんどしゃべらない。
「お疲れ様。」
なんとか絞り出した佳乃の言葉にも、無言で頷くのみ。
仕事一辺倒の佳乃からすれば、それは最高のサボりだ。
今までサボる事など許せなかったのに、それを自分がやるとは思わなかった。
時折行き交う社員もいたが、まさか真面目で厳しいと評判の佳乃がサボっているとは、誰も思わない。
開発部に行く気にもなれず、人がいないであろうフロアの端の休憩所で缶コーヒーを買おうと、佳乃は足を向ける。
「あ・・・」
自販機の前に、会いたくなかった人が居た。
思わず上げてしまった声に反応して、会いたくなかった人“ノーヴェ”は、振り向いて小さく一礼した。
相変わらず、彼女はほとんどしゃべらない。
「お疲れ様。」
なんとか絞り出した佳乃の言葉にも、無言で頷くのみ。