secret name ~猫と私~
彼の言葉の端々から伝わってくる、ノーヴェへの想い。
駅で電車を待ちながら、不意に出た言葉。
「好き、なのね・・・」
何が、とか。
誰が、とかは、あえて言わずにおいた。
セッテの方は見ずに、ただそれだけが口をついて出る。
彼は今どんな顔をしているのだろうか。
きっと、目を丸くして、質問の意味をかみ砕いているに違いない。
「せやな。好きやで。」
その言葉は、決して自分に向けて言われたものではない。
分かっているはずなのに。
(私も、貴方が好き。)
伝えられない想い。
「今年、結婚するんや。」
電車の音にかき消されてしまえばいいのに、セッテの言葉は、佳乃の耳に届いた。
「あかん、俺めっちゃ規則やぶっとるわ~。」
高村さん内緒にしとって?と苦笑しながら、セッテは照れ臭そうにしている。
駅で電車を待ちながら、不意に出た言葉。
「好き、なのね・・・」
何が、とか。
誰が、とかは、あえて言わずにおいた。
セッテの方は見ずに、ただそれだけが口をついて出る。
彼は今どんな顔をしているのだろうか。
きっと、目を丸くして、質問の意味をかみ砕いているに違いない。
「せやな。好きやで。」
その言葉は、決して自分に向けて言われたものではない。
分かっているはずなのに。
(私も、貴方が好き。)
伝えられない想い。
「今年、結婚するんや。」
電車の音にかき消されてしまえばいいのに、セッテの言葉は、佳乃の耳に届いた。
「あかん、俺めっちゃ規則やぶっとるわ~。」
高村さん内緒にしとって?と苦笑しながら、セッテは照れ臭そうにしている。