secret name ~猫と私~
ノーヴェは割り切っている。
クライアントから頼られてはいるようだったが、彼女の性格もあってか、一切歩み寄っていないようだった。
クアットロだってそうだろう。
彼は他人には踏み込んでくるくせに、自分の事は何一つ明かさない。
それぐらいの事が、必要なのだろうか。
もし必要だったとしても、自分に出来るだろうか。
(無理やな。)
一瞬で否定する。
無口で、無表情で、必要最低限の事しかやらない。
それは確かに猫としては合格だろう。
だが、セッテ個人としては、それではいけない気がした。
“人間としては悪くない。”
クアットロの一言が、背中を押してくれる。
セッテは目の前に残った食事を食べて、食器を片づけた。
シンクに入れるだけでいいと言われているから、いつもは洗っておくそれを、今日は置くだけにした。
「ほな、2人ともありがとう!スッキリしたわ!」
入ってきた時と同じように、笑顔でドアをくぐる。
人間として悪くない。だが、猫としては悪い。
(そんなら、それを貫かなあかん。)
自分は猫だが、他の猫と違い人のプライベートに踏み込んで仕事をするのだから。
廊下を歩いて、自分の部屋に入り、ビールとジンジャーエールを持って、また出る。
クライアントから頼られてはいるようだったが、彼女の性格もあってか、一切歩み寄っていないようだった。
クアットロだってそうだろう。
彼は他人には踏み込んでくるくせに、自分の事は何一つ明かさない。
それぐらいの事が、必要なのだろうか。
もし必要だったとしても、自分に出来るだろうか。
(無理やな。)
一瞬で否定する。
無口で、無表情で、必要最低限の事しかやらない。
それは確かに猫としては合格だろう。
だが、セッテ個人としては、それではいけない気がした。
“人間としては悪くない。”
クアットロの一言が、背中を押してくれる。
セッテは目の前に残った食事を食べて、食器を片づけた。
シンクに入れるだけでいいと言われているから、いつもは洗っておくそれを、今日は置くだけにした。
「ほな、2人ともありがとう!スッキリしたわ!」
入ってきた時と同じように、笑顔でドアをくぐる。
人間として悪くない。だが、猫としては悪い。
(そんなら、それを貫かなあかん。)
自分は猫だが、他の猫と違い人のプライベートに踏み込んで仕事をするのだから。
廊下を歩いて、自分の部屋に入り、ビールとジンジャーエールを持って、また出る。