secret name ~猫と私~
今朝もいつもと同じ時間に、独り暮らしのマンションを出る。
着なれたブラウスとスーツに身を包み、なかなか美容院に行けないせいで伸びてしまった髪をシュシュで一つに束ね、ヒールの高すぎないパンプスを相棒に、徒歩圏内にある最寄りの駅から地下鉄に乗って出社。
地元ではほとんどない、朝の押し込まれる程の満員電車にも、いつしか慣れた。
30歳になる手前で転職した今の会社は、デザイン系の新しい会社で、社長も社員も比較的若い。
佳乃は社長直属の部下として、毎日朝早くから、夜遅くまで仕事をしているが、忙しくてもやりがいを感じていた。
毎日充実しているはずなのに、時折誰かにすがりたくなるのは、気付かないふりをする。
認めてしまえば、誰にも見せたくない弱い部分が露見してしまいそうで、嫌だった。
着なれたブラウスとスーツに身を包み、なかなか美容院に行けないせいで伸びてしまった髪をシュシュで一つに束ね、ヒールの高すぎないパンプスを相棒に、徒歩圏内にある最寄りの駅から地下鉄に乗って出社。
地元ではほとんどない、朝の押し込まれる程の満員電車にも、いつしか慣れた。
30歳になる手前で転職した今の会社は、デザイン系の新しい会社で、社長も社員も比較的若い。
佳乃は社長直属の部下として、毎日朝早くから、夜遅くまで仕事をしているが、忙しくてもやりがいを感じていた。
毎日充実しているはずなのに、時折誰かにすがりたくなるのは、気付かないふりをする。
認めてしまえば、誰にも見せたくない弱い部分が露見してしまいそうで、嫌だった。