secret name ~猫と私~
佳乃は歩き出す。
人波にならい、足早に駅へと向かう。

歩きながら考えた。
こういう気分の日は、どこかで飲んで帰ろう。
居酒屋もいいし、ワインバーでもいい。
たまにはスポーツバーで騒ぐのもアリかもしれない。
それとも、友人を呼んでみようか。
駅の近くなら、居酒屋やバーもたくさんあるし、このまま歩いていこう。

お酒はわりと好きだし、飲み会の独特の盛り上がりも嫌いではないので、なんだか楽しみになってきた。
仕事詰めだったのだから、久しぶりに羽目を外すのも悪くないだろう。

最近忙しくて、連絡を取っていなかった友人に声をかけようと決め、佳乃は携帯電話を手にとった。
気のおけない友達と他愛もない話をして、腹のそこから笑いたい気分だ。
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