secret name ~猫と私~
社長室はさほど広くなく、社長が主に使うシックなデスクと、もうひとつ部屋の隅にデスクがあり、あとは応接用のソファセットがある。
そのほかの物は少なく、資料が置いてある本棚があるぐらいだった。
観葉植物さえ置いていないが、木目の物が多いためか殺風景ではない。
「お呼びでしょうか、社長。」
一礼し、直る。
いつも笑顔の社長は社員にも好かれているが、佳乃はどうにもこの笑顔が曲者に思えてならなかった。
「うん、呼んだよ。」
「ご用件は?」
にこにこと話す社長に、つい刺々しくなってしまう。
のんびりと談笑している余裕は、佳乃にはない。
もちろん社長にだって無いはずだ。
ありがたいことに、今会社は忙しいのだから。
そのほかの物は少なく、資料が置いてある本棚があるぐらいだった。
観葉植物さえ置いていないが、木目の物が多いためか殺風景ではない。
「お呼びでしょうか、社長。」
一礼し、直る。
いつも笑顔の社長は社員にも好かれているが、佳乃はどうにもこの笑顔が曲者に思えてならなかった。
「うん、呼んだよ。」
「ご用件は?」
にこにこと話す社長に、つい刺々しくなってしまう。
のんびりと談笑している余裕は、佳乃にはない。
もちろん社長にだって無いはずだ。
ありがたいことに、今会社は忙しいのだから。