secret name ~猫と私~
猫の話をしてみましょう
友人たちから佳乃へのダメ出しは、止まらなかった。
いつからこんな風に、恋愛弱者のように扱われるようになったのだろう。
昔はもっと結婚話だけでなく、色々な話が出来ていたような気がする。
溜め息を隠さずに吐きだせば、優子に睨まれた。

「私は仕事が恋人!それでいいって。」

投げやりにそう言えば、目の据わってきた美穂からチョップを食らう。

「ダメ!」

「なんで?」

「うるおいが無さ過ぎなの!!」

うるおい?
うるおいとは、なんだ。肌の事か。

「もっと私生活にうるおいを!そばにイケメンとか、居ないわけ?!」

イケメンと言われ、ふとセッテを思い出す。
まだ出会ったばかりの、真新しい存在。

「んー・・・まぁ、おらん事は、ない?」

「何よそのあいまい。居るのね!」

「おりますおります。イケメンおりますよー。」

佳乃を見ていた3人の目が、途端に輝いた。
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