secret name ~猫と私~
3人はガッカリしたように、肩を落とした。

「まだ1週間だし、契約は3ヶ月だし。期待してる事は、何も無いと思うわよ。」

「でも、もしも・・・とか、万が一ってこともあるでしょ?」

「そーそー、佳乃からじゃなくて、向こうからとかさ!」

それならいいんじゃない?!と、好奇心を押さえきれない様子で、食いついてくる。

いくつになっても、恋愛話が好きな友人たちだ。
仲はいいのに、恋愛に奥手な佳乃は、着いていけない時が昔からあった。

「・・・無いんじゃない?」

会社でのセッテが、脳裏によみがえる。

『本名も名乗れんような奴の友達に、なりたいと思うか?』

そう言った彼の眼には、迷いが無かった。

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