背中を合わせて【完】
「はい。」



今度は未夜が手を差し出す。



「お金はいいよ。俺が飲みたかったついでだし。」


「おごってもらいたくないから。むしろ昨日いろいろとお世話になったし、おごるのは私の方。」


「未夜はきっちりしてるんだね。でも、俺も未夜におごられるつもりはないよ。」



そう言って未夜のお茶1本分だけのお金を未夜から受け取った。


昨日と一昨日はほとんど零のことを無視したりキツイ言葉遣いだった未夜も、昨日のことがあってか今日はおとなしい。



「本当は今日、未夜はここに来てくれないんじゃないかと思ったんだ。」



零が正直に思っていたことを打ち明ける。


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