背中を合わせて【完】
「どっちかっていうと、本当は知りたくない...かな。」



零に向けられていたかりんの視線は、暗い顔になるのとともに手元へと移される。


圭はたまにボーッとしてるけど、きっと頭の中ではなにか考えているんじゃないかって、いつもかりんは考えていた。


でも、そのことを圭本人に聞く勇気はない。


ましてや圭と零がたまに話しているかりんにはわからない話。


それも気になっているけど問いつめることは出来ないでいた。



「じゃぁ。聞かないで。」



はにかみながら言われた零の言葉はちょっと冷たかった。


突き放されるような言葉だったけど、零はむやみに人を傷つけることはしない。


圭があれだけ信頼をおいている人だから。


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