背中を合わせて【完】
*****

数日後の朝。


その日は朝まで先輩たちと呑んでて、やっと解散した圭は彼女のマンションに向かっていた。


そういえば、あの公園の女は今日もいるんだろうか。


ちょっと寄り道程度の軽い気持ちで公園に向かった。


公園に着くまであと5分くらいかなと思う場所で、奥の道からかすかな歌声が聞こえてくる。


圭の歩く道の目の前を横切った女はギターを背負い、マフラーの巻かれた首の中から伸びていたコードが耳へと繋がっていた。


音楽を聞きながら小さな声で口ずさむ女は、肩に触るくらいの髪をなびかせて歩く。


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