背中を合わせて【完】
「あんたの名前は?」


「圭に聞きなよ。」


「はぁ?」



そんな突拍子もないことを言われて、未夜は再び男の顔を見るハメになった。


その視線の先にいる男は実に楽しそうに話しを続ける。



「圭は昼休みに屋上専用階段にいるからそこで聞いてみなよ。これで圭と話す理由が出来たでしょ。」


「今ここで名乗ればいいじゃん。」



面倒なことはごめんだと思った。


でもそのまま会話は遮られる。


未夜のポケットから鳴り響く機械音によって。


AM6:00の帰りを知らせる携帯アラームだ。


未夜がアラームと止めるのを確認して男は立ち上がる。

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