背中を合わせて【完】
圭はちゃんと一から説明をした。


以前に公園に向かって歩く女の子を近くで見かけたこと。


圭自身にも気づかなかったから声をかけなかったこと。


偶然今日あのコーヒーショップで働いているのを発見したこと。


コーヒーを飲むことも忘れて話した。



それからは時々零と会う時間を作っては、決まってそのコーヒーショップの見える位置で待ち合わせた。


毎回零はそのコーヒーショップでコーヒーを買っきてくれて、女の様子を圭に話す。


零はそんなことにも嫌な顔ひとつしないで、圭を責めることもなく付き合ってくれる。


そんなことが何度が繰り返されたとき、女は急にそのコーヒーショップから姿を消した。


冬休みが終わる時期と同じ頃に姿を見せなくなったから、きっと学校があるからだろうと考える。





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