背中を合わせて【完】
だから、圭は彼女に別れを告げることを決意する。


零にも相談したけど、圭が決めたことならいいんじゃないかと言ってくれた。


彼女の家で話をすると、女はあっけなく承諾して別れることになる。


年上の彼女にとっては単なる遊びに過ぎなかったのかと、少し傷ついた。



圭のそんな変わりようを見て、零も圭に対して考える。



(圭は未夜をどうしたいんだろう。)



零はバイトを調節して、引っ越したばかりの新居に初めて圭を招いた。



「1人で住むのには、十分だろ?」



そう言って部屋に通す零の新居は、キッチン付きで2部屋に区切られたアパートだった。


きれいに片付けられた部屋は少し殺風景な気がして、まだ生活感が感じられない。



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