背中を合わせて【完】
零が今日の目的だった話を圭にふった。



「圭はさ、未夜のことどうしたいと思ってんの?」



いきなりの話に圭は驚いた顔を零に向ける。


その質問は圭自身にもなんども振りかざしたけど、まだ答えは出ていないことだった。



「俺にもよくわからない。」


「未夜と付き合いたいって思ってるわけじゃないの?」


「別に付き合えなくていいんだ。」



その答えは嘘や偽りじゃなくて、今の圭の中にある本当の気持ちだった。


それは唯一自分の中で答えが出ていることだ。



「ただ見てると安心するだけ。」



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