背中を合わせて【完】
「あなたはこの羽瀬峰家の長男なのよ?なんでお父さんの会社を継ごうと思わないの?」


「俺にはやりたいことができたんだ。父さんの会社は、会社の中で跡継ぎになりたいと思ってる人に継がせりゃいい。俺は、自由に行きたいんだ。」


「あなた、この家を捨てる気?」



零の前で立ち止まった母親は零の目を睨む。


零の目はまっすぐで揺るがない。


そんな零をみて、母親の手が飛んできた。


パンッと乾いた音と共に零の左頬を直撃する。


それでも零のまっすぐな瞳は変わらなかった。



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