背中を合わせて【完】
まだ新しいと思われる2階建てのアパート。


コンクリートに囲まれた階段を上って2階の一番奥の角部屋に慣れた手つきで入っていった。




電気もつけずに家にあがる。


薄暗い中奥の部屋まで進むと、真ん中にある四角いテーブルにコンビニで買ったものを袋ごと置いた。


奥の壁にぴったりとつけられたベッドに上ると、閉ざされたカーテンをあける。


朝の突き刺す光によって部屋の中はやっと明るくなった。


そのままベッドに身体を投げ出すと、窓から差し込む光は男を照らせなくなる。



「あー。疲れた。」



ベッドに横になったまま手だけがベッドの下を探っている。

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