背中を合わせて【完】
「まず、高校に行くのを諦めなさい。私はそこまで面倒を見るつもりはないわ。働けるようになったら働いて、お金を貯めて自分で家を出なさい。それまでは手持ちのお金で生活すること。私たちは一切あなたに手を貸さない。自分で生きることの辛さを思い知るがいいわ。」


「わかった。絶対迷惑はかけない。」



零の手は強く拳が握られていた。


高校に行けないという言葉。


覚悟はしていたけれど、やっぱり直接言われると心が苦しかった。



「迷惑はかけないと言ったところで、あなたはまだ未成年よ。なにをするにも、親の承認というものがつきまとうわ。成人するまでは親として承諾するけれど、それ以降は縁を切るつもりでいなさい。」



成人するまではなにをするにも親の承認がつきまとうことは零も重々承知だ。


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