背中を合わせて【完】
やっとお目当てのものを見つけたその手で、器用にタバコを1本だけ取り出して口にくわえた。


再びベッドの下を手で探るが、今度は探しているものが見つからない。


しょうがないと重い身体を起こすと、探していたマッチはテーブルの上に転がっていた。


テーブルまでの短い距離でさえ歩くのがだるい。


タバコを吸うのを諦めようとしたとき、携帯から音楽が鳴る。


ポケットから携帯を取り出すと、着信画面で相手を確認してから電話に出た。



「あー、おはようございますー。」


『おぉ、起きてたか!急だが今日の13時から入れるか?』

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