背中を合わせて【完】
未夜は諦めの悪い人だなと思いながら家に帰った。


学校についても零の言葉を考えてみる。


確かに零のことはなにひとつ知らないから、別に聞くのはいい。


ただし、よく知らない人の家にいきなりお邪魔するのはいかがなものか。


しかも男だし。


それはいくらなんでも無防備だろう。


零が未夜に対してどう思っているのか、どういう目的で接してくるのかわからないから、零の行動が読めない。


そんなことを考えていたら、凛が心配そうに顔をのぞいてきた。



「大丈夫?なんかいつにもまして心ここにあらずって感じだけど。」


「んー。考え事ー。」


「あんまりひとりで抱え込んじゃダメだよ。」



本当に心配しているようだった。


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