背中を合わせて【完】
考えていて答えない未夜を見て凛は続けた。



「その相手は未夜のこと好きなんだよ!」


「えっ?」


「だってそれしか考えられないよ。相手が密かに未夜のことを想っていて、最近勇気を出してやっと声をかけてきたの。それでどんどん距離を縮めてついには告白!!」



凛の妄想はとめられなかった。



「でも、そんな感じじゃないけどね。」



(確かにさらっと告白まがいなこと言ってくるけど...。きっと違うよ。)



そう自分に言い聞かせてみる。



「未夜は恋愛に対して鈍感なんだよ。自分に好意を持ってる人くらい見極めなきゃ!」



(ゆうくんが凛のこと好きだって、自分で気づかなかった凛に言われたくない言葉だよ...。)



そんな呆れる未夜のことはおかまいなしに話は続けられた。
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