背中を合わせて【完】
「明日も公園に行くから、未夜もおいでよ。そこで話そう。ちゃんと俺のことも話すから。」



少し悲しそうに見えた零の表情。


未夜はそんな零を見て、わかったと一言返事をすることしかできなかった。



「じゃぁ俺帰るから。気をつけて帰ってねー。」


いつもの零に戻った。


零はUターンして一番近い十字路を曲がって行き、姿が見えなくなる。


未夜から零の姿が見えなくなったとき、零は立ち止まって空を見上げていた。



空に向かってため息をつくと、ゆっくりと歩き始める。


そんな零には気づきもしない未夜は、家への道を自転車で帰って行った。
< 231 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop