背中を合わせて【完】
零と未夜の距離が今までにないくらい近づいて、未夜は零の腕に抱かれた。



「れ、零!?ちょっと、どうしたの?」


「ごめん。ちょっとだけ。ちょっとだけこのままでいさせて。」



そう言う零の声が少しかすれてた。


きっと泣いてるんだと思う。


零の顔は見えないけど、零の身体が少しだけ震えてる気がしたから、未夜も零の背中に手を伸ばした。


心地のいい鼓動と体温に包まれたこのとき、零の存在は未夜にとって特別なものへと成長したのだ。
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