背中を合わせて【完】
そしてもうひとり、祐紀の話をふられた『ネコちゃん』とは未夜のこと。


凛が勝手につけたあだ名を祐紀が使っていて、ずっと未夜のことをネコちゃんと呼んでいた。


最初は結構戸惑ったけど、祐紀の影響で何人かが同じように未夜を呼ぶようになって、いまではすっかり馴染んだあだ名だ。



「ごめん。今日はちょっと...。」


「えー。未夜行かないの〜?」



凛がおもむろに残念そうな顔をするが、未夜の意見は揺るがない。


やっぱり人前で歌うのはしたくなかったから。


一緒に行こうよと凛が未夜を押す前に祐紀からのフォローが入る。


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