背中を合わせて【完】
「このまま泊まってく?」



普通だったらここで更に顔が赤く染まって、心臓の鼓動が早まるだろうけど、変に冷静になれた。


熱はないか...と、未夜はとっさに零のおでこに手を当てる。



「ひどいなぁ、もう。」



そう言って零が笑うから、未夜もさっきの言葉を聞き流した。



「明日の朝もここにくるよ。零は家で寝てていいからね。」


「オッケー。じゃぁ家まで送るよ。」


「いいよ。病み上りはちゃんと寝てなきゃ。」



零はいいからと言って聞かなかった。


結局零が家まで送ってくれることになって、零の家を出ると当然のように未夜の手を取る。


手を引かれながら歩いてると、未夜の心臓の鼓動はやっぱりいつもより早い。


平然を装いながら、未夜は気になっていることを零に聞いてみた。

< 331 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop