背中を合わせて【完】
未夜には零が何をしているのか全くわからない。


繋がれた手からも何も伝わってこなかった。


一瞬だけ握られている手に強く力が入った気がしたら、すぐに未夜の目を覆っていた手が外される。


恐る恐る目を開けると、そこにはなにも変わっていない零がいた。



「ごめんね。なんでもないや。また明日ね!」



焦ったように繋がれた手を離して、零は歩いてきた道をUターンして帰って行った。



(ビックリしたぁ。なんだったんだろう...。)



自分の身なりも一応確認してみるけれど、目を瞑っている間になにかされた跡は見つからなかった。
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