背中を合わせて【完】
4.伸縮する距離

未夜の気持ち

*****

翌朝。



「あの。」



零の家に向かって歩いていると、公園を過ぎたところで未夜は後ろから声をかけられた。


振り向くと、スラッとした長い黒髪の女性が立っている。



「今から零の家に行くの?」



突然そんなことを聞かれて戸惑いながらも、未夜は質問に一応答える。



「そうです...けど。」


「私昨日の朝に零の家に行ったの。あなたもそのとき零の家にいたでしょ?」



その言葉でバーベキューの日にお世話になった先輩と一緒に零の家に来た女性が、目の前にいる人だと理解した。
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