背中を合わせて【完】
「私は別にあなたが零のことが好きでも、零があなたのことを好きでも、なんでもいいの。ただ、零のそばにいるあなたと1度話がしたかっただけ。」



零が未夜のとこを好きでもという言葉に、心臓の鼓動が早くなった。


ただ、この女性は憶測で話しているのに。



(私もう重傷かも...。)



未夜は心のなかでいろいろ考えるだけで、女性の話にほとんど返事はしなかった。



「私はあなたの恋路を邪魔したりはしないけど、1つだけ言わせて。私は零のことずっと想ってきたの。だから、はっきり言ってあなたのポジションは嫌。」



なおさら未夜はなんて返していいのかわからなくなった。



「でも、...頑張って。」



零と仲良くする未夜のポジションが嫌というのに、頑張ってって...。


もう意味が分からない。


それだけ言うと女性は未夜に背中を向けて去って行った。


どれだけそこに立ち尽くしていたかはわからないけど、我に返って零の家に向かってあるいて行く。
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