背中を合わせて【完】
凛がこっちのも可愛いんだよと浴衣の説明をし始めるのを、呆然と見ている未夜。



「驚いたでしょ?」



未夜の後ろから声をかけられて振り返ると、凛のお母さんがジュースとクッキーを持ってきてくれた。



「私の母が和裁の先生をしててね。よく初心者向けに浴衣の教室を開いてるから、こんなにも浴衣がいっぱいになっちゃったのよ。」


「すごいですね!みんな柄がとっても可愛いです。」



凛のお母さんはよかったわと嬉しそうに笑いながら、部屋の隅に追いやられたテーブルにトレーを置いた。



「遠慮なく選んでね。浴衣より数は少ないけど、バックと髪飾りと帯もあるから。」
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