背中を合わせて【完】
教室には顔を出していなくても、赤い髪の男が言っていた屋上専用階段には圭はいるかもしれない。


頭のどこかではそう思っていても、興味のなさが屋上専用階段には行かないという結果を生み出した。


未夜の頭の中には赤い髪の男と圭の存在は、それほど重要な情報としてはインプットされていなかったのだ。


でもひとつだけ気になることがある。


あの赤い髪の男に未夜のことを話したという圭。


今までろくに話したこともなくて、ただクラスが同じだけの接点の中、あの男に未夜の何を話したというのか。


その行動は未夜がどれだけ考えても理解することが出来なかった。
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